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Wikipedia - 郊外(suburb)

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「往路」

 荒川沿いの道路を北上し、葛飾を超え埼玉に入っていく。このあたりまで来ると、高い建物は姿を消し一戸建てと低層建築のみが眼下を彼方の山の裾野まで埋めている。典型的なサバービア。
 サバービアという言葉自体にある種の悲しさというか、寂しさのようなものを感じる。どこまでも続く同じような町並み。街道沿いに時折見かける広い駐車場を持った大型店舗。どこに入っても大して味も値段も代わり映えしない定食屋。そんな光景がどこまでもどこまでも続く、そんなイメージがサバービアという言葉を見るたびにフラッシュバックする。


「復路」

 日が沈むやいなやすぐに淡い黄色をした丸い月がするすると引っ張られるように登ってくる。まるるでオリオンと蠍の関係のようだ。
 関東平野の外周を貫くように走る首都高の高架上からは視界を遮る高い建物は存在せず、まるで月だけが空の藍さから滲み出てきたかのようにぽっかりと虚空に浮かんでいる。都市の生活光が、すらりと目の届く限りすべての場所で灯っている。
 都市の夜景は嫌いだ。赤やオレンジといった都市独特の光線はたまらなく憂鬱な気分にして、自分が遥か遠くの世界まで来てしまったかのような錯覚を覚えさせる。
 しかし、今夜は違った。まるで星の位置から糸巻きで巻上げらたかのようにするすると登ってきた月の光が、夢幻のサバービアを現実のものへと還元した。そこには空気があり、水が流れ、人々の生活がある。現実の世界。そうだ、僕は帰ってきたんだ。鏡併せのような無限の世界から――


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昨日と引き続き今日も見事な、本当に見事な月だった。普段神奈川県にいると感じられない関東平野という元来発達してきたこの広大な平野に、遮るものなく降り注ぐ月光。街灯や車のテールランプすらも水々しく輝いていた。

昔から夜景、特に夜の高速道路の光景が嫌いだった。オレンジ色の常夜灯。黒々とした山。都市の息遣いすら聞こえてきそうな夜景。そんなこんながたまらなく憂鬱な気分にさせた。
ちなみにその次位に嫌いなのがNHKの「小さな旅」のテーマ曲。


昔からこの曲がかかるたびにあわててテレビのチャンネルを変えていた。
今でも苦手。むりやり郷愁にも似た切なさを揺り沸かされるような感覚が、大げさに言えばなんだかレイプされているような気分にさせられる。
まぁ、それだけ心を動かすということは名曲ということなのであろうけれど。
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