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The Sugarcubes - Christmas Eve


Bjorkがソロデビュー前にやっていたバンド、The Sugarcubesの曲をジザメリがリミックスしたもの。
たゆたうギターノイズの中から突き抜けてくるBjorkの歌声で耳が幸せ。
是非ヘッドフォンを着用して聴いてもらいたい。

先週の金曜日、大久保HOTSHOTでライブをやってきた。
まさかのトリでの出演。
途中、なんでこの人たちプロじゃないの?!ってぐらい演奏も楽曲のクオリティも高いバンドが演奏されていて
俺らみたいなのがトリでサーセンwwwと思いつつも、現メンバーでの最後のライブってことで思いっきりやってきた。
個人的反省点は山のようにありつつも楽しく出来たかな、と。
今後はもう少し見聞きする人側のことも考えていけたら、とは思っている。
趣味とはいえど、やっぱり「好き」だとか「カッコイイ」だとか言われると嬉しいしね。



以下、テトリミノの女の話
 
 両極端な思考の落とし所が見つからない きっと見栄が邪魔しているのね
 劣等感だけがテトリスのように積み上がっていく まだゲームオーバーにならないの?

 軽快な電子音の音楽とともにブロックが次々と降ってくる。それらを回転させできるだけ均一になるように積んでいき、端から端までブロックで埋まるとその列のブロックが消える。降ってくるブロックに規則性はなく、消せば消すほどブロックの落ちるスピードは増し、積み方も雑になっていく。初めは綺麗に積み上がっていたブロックも次第に隙間だらけとなり、ある時堰を切ったようにどんどんと上まで積み上がり天井に触れる。

 ゲームオーバー

 20万点だ。カウントストップに全然手が届かない。足りない、まだまだ気持ちが全然足りない。

 テトリスの上手な男だった。休み時間になるとサッと食事を済ませ携帯ゲーム機の画面を見つめていた。「何をやっているの?」そう問いかけると男は恥ずかしそうな気まずげな笑顔を浮かべて答えた。「テトリスさ。」
 「次から次へとブロックが落ちてくるだろ。これって仕事と似ていると思わないかい?一つ終わってもまたすぐ次の案件が待っている。上からどんどん仕事を振られてやってもやっても終わりなんか見えない。きっと誰も終わりなんか知らないのさ。有限の中で無限に仕事を見つけて、それをこなしていく俺たちは無限に利益を産み出しているはずなのに手元に残るものには限りがある。そんな海岸線の長さを計るような思いでうんざりしてくるとテトリスをするんだ。」
 「海岸線の長さ?」
 「そう、海岸線の長さ。海岸線てのは入り組んでいるだろ?おまけに砂粒でできている。だから長さを計るための計りの単位が小さければ小さいほど海岸線の長さは伸びるのさ。うんざりしてくるだろ?計るたびに長さは増して作業時間はどんどん増えていく。だからテトリスをするんだ。嫌なことを全部ブロックに見立てて効率よく消していく。そうやってどんどん積み上げて消していくと、不思議と心がすっきりするんだ。今じゃすっかり慣れてしまってスコアがカウントストップするようになったよ」
 
 それから女は、男のことをよく見かけるようになった。男は常に身のこなしが軽く、清潔なシャツを身につけ趣味のいいネクタイを締め、手際よく仕事を片付けていた。そして時々、公園のベンチで携帯ゲーム機を見つめていた。
 いつしか女もテトリスを手に取るようになっていた。
 今日上司になじられたこと、理解の無い客にいちゃもんをつけられて2時間も無駄にしたこと、満員電車の中で足を踏まれたこと、生理用ナプキンで蒸れてかゆい事。そんなことを一つ一つ思い浮かべながら積んでいく。これが私のストレスなのよ、と自分に言い聞かせて。そんな積み上げられたブロックが少しづつ消えていくのはなんとも心地よく、肩の荷が下りるような気持だった。とりわけ、どこか一行を空けてブロックを出来るだけ綺麗に積んでから真っ直ぐなテトリミノでまとめて消すのは快感だった。
 女は何度も想像した。男に抱かれているところを。女の凹み(くぼみ)に男の凸み(ふくらみ)がぴったりとはまり、溶け合い消えていくことを。一行開けて積んだブロックの隙間に真っ直ぐに付き立てられ奥まで入っていくテトリミノ。四列まとめて消えていくブロックを見るのは快感だった。
 男とテトリスの中では何度も交わったが、現実には話しかけることすら躊躇われた。自分は美人ではないし、彼と違って正社員になるべく就職活動中の派遣社員で、大学は中退だし、いつも自分に言い訳をして前に進むことはおろか踏み出すこともできない人間だ。そんな私が彼に話しかけては迷惑になると思っていた。
 だが、テトリスをやるたびに彼の事が頭に浮かび、またテトリス抜きでは女の気持ちを晴らすことはできなくなっていた。

 ある朝彼女は思いついた。そうだ、この劣等感をすべて消してしまおう、と。そう思うが早いかゲーム機の電源をいれると、画面を食い入るように見つめ、指をせわしくなく動かし始めた。自分の嫌なところを思い浮かべる。鼻が大きい所、笑顔を浮かべようとすると唇が左右対称にならないところ、髭が生えること、顎にニキビがある事、髪の毛が細く癖っ毛なところ、歯が白くないこと、胸が小さい事、脇腹に脂肪がたまっていること、お尻が大きい事、足の指にもじゃもじゃと毛が生えてくること……肉体のことだけでも瞬時にこれだけの事が浮かんだし、まだまだ幾らでもある。それに性格的なこと、育ち、趣味嗜好etc……際限がなかった。
 女は食事もせず眠りもせず昼夜ぶっ通しでやり続けた。電話やドアベルが何回も鳴ったが一つも答えなかった。もう言い訳は必要なくなった。就職活動しているふりも、働いているふりもしなくていいのだ。ただ画面を見つめ上から際限なく落ちてくる劣等感が、画面の中では均一にならされ女の人生とともに消えていく。そうこの点数こそが私の幸せの証。今までしてきた辛い思いや、ストレスの引き換えとして得たものなのだ。
 とうとうカウントストップのスコア99万9999点を取ったが、女にはまだ幾らでも劣等感が残っていた。スコアは動かないがそれでも女は夢中でブロックを積み上げ消し続けた。もう少し、あともう少し消せば私は素敵な、完璧な人間になれる。そうすれば男に抱いてもらえる。あと少し……




             HISCORE:1,000,000点
               NAME:_._._.






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